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ポータブル Thunderbird

これは何?

メールソフト Thunderbird をパピーに組み込むことなく、その設定ファイルとともに1つのフォルダにまとめ、1クリックで使うようにしたものです。 /mnt/home 以下など、 パピースペース(pupsave)の外に置いて使います。置き場所は NTFSやFATなどWindows用ファイルシステム上でも構いません。

Thunderbird に限らず、Linux用のメールソフトはメールボックスを、たいていホームディレクトリ内に作成します。 パピーの場合、/root/.thunderbird 以下になります。 パピー標準のインストール法であるFrugalインストールで /root 以下は pupsaveファイルに保存される「パピースペース」です。 昔ならこれでも良かったのかもしれませんが、最近は写真や動画など添付ファイルも大きくなっているので、 メールを貯めるとpupsaveがすぐにいっぱいになってしまいます。

pupsaveの消費を避けるためには、メールボックスを/mnt/home以下など、パピースペースの外に置けば解決します。 Thunderbird や SeaMonkey の場合、アカウントのサーバー設定でメッセージの保存先を変更できます。

『ポータブル Thunderbird』 はデフォルトの状態でThunderbird本体と設定ファイル、メールボックスなどのすべてを1つのフォルダに収めています。 これをパピースペースの外に置けば pupsaveファイルの大きさとは関係なく、パーティションの容量の限りで使えます。

これらのメールアカウントと保存されたメールは、そのPCが使える誰でもが使用し閲覧することができてしまいます。 なのでPCを個人が占有していることが前提です。そうではない場合、thunderbird-portableを USBメモリに収めて個人で管理する方法が採れます。 ただし、そのUSBメモリを差したままPCを離れると、その安全は保証されません。

パピー571JP上で動作確認しています。ほとんどの5.x系で動くはず。本家版 Wary/Racy では dbus と dbus-glib のインストールが必要。 431JP2012 など 4.x系では動きません。

使い方

I.インストール

  1. ダウンロードした thunderbird-portable-*.tar.gz を /mnt/home以下 や /mnt/sdb1以下 など、HDDやUSBメモリがマウントされたところで展開してください。 NTFSやFATなどWindows用ファイルシステム上でも構いません。 展開後は元のアーカイブ thunderbird-portable-*.tar.gz は必要ありません。邪魔なら削除してください。 フォルダ thunderbird-portable-* ができます。移動するときはフォルダごと移動してください。

    フォルダ名も変更できますが、名前のうち thunderbird-portable の部分は残してください。 thunderbird-poartbale-new などの名前はOKです。 トップ階層である必要はありません。たとえば /mnt/home/apps/thunderbird-portable。

    この thunderbird-portable-*フォルダはROXアプリとして動きます。 ROXファイラからは app icon のように歯車が表示されます。 残念ながら NTFSファイルシステム上では ROXアプリとしては動きません。 通常のフォルダと同じアイコン folder icon で表示されます。
  2. thunderbird-portable-*フォルダをクリックしてください。 フォルダが app icon のように歯車が見えていると、 クリックでGUI画面が開きます。 そうでないときは普通にフォルダが開くので、その中にある実行ファイル shell script icon thunderbird-portable をクリックしてください。
  3. 出てきたGUI画面でパピーメニューへの登録などを設定し(登録しなくても thunderbird-portable をクリックすれば Thunderbird が起動します。)、 「OK」をクリックしてください。 自動的にネット上から最新版をダウンロードし、インストールが進みます。

    自動ダウンロードに失敗するときは、 別途ダウンロードしてきた thunderbird-*.tar.bz2 をドラッグし、GUI画面の入力欄に落としてください。

  4. メールアカウントのインポート
    すでにパピー上で Thunderbird か SeaMonkeyを使っていたら、そのメールアカウントをインポートできます。 Windows版 Thunderbird あるいは SeaMonkeyからもインポートできます。

    インポートはThunderbirdのインストール作業の最後に行われます。 作業を実行しているパピー以外のパピーあるいは他の Linux からのインポート、 Thunderbird/SeaMonkey 以外のメールソフトからのインポートはサポートしていません。

II.インストール後の Thunderbird の起動

上記のインストールが済めば、その後 thunderbird-portable はランチャーとして機能します。

パピーメニューに登録すると Thunderbird をパピーメニューから起動できます。また、通常使うブラウザ(defaulebworser)に登録することもできます。

(pupsaveを作って)/mnt/home以下に thunderbird-portable があるときは、これをデスクトップにドラッグ・アンド・ドロップすればアイコンができ、このアイコンをクリックすれば Thunderbird が起動します。

登録後パッケージマネージャで thunderbird-portableをアンインストールすると、パピーメニューから Thunderbird の項目は除かれますが、 thunderbird-portable フォルダにインストールされた Thunderbirdは、そのままです。

逆に thunderbird-portable をフォルダごと削除すると、そこにインストールされた Thunderbirdも一緒に削除されますが、 パピーメニューには残っています。メニューから除くにはパッケージマネージャで thunderbird-portableをアンインストールしてください。

III. Thunderbird の設定ファイルとメールボックス

メールアカウントなどの設定ファイルは thunderbird-portableフォルダ内の隠しファイル .thunderbird の中にあります。 メールボックス(ローカルフォルダ)はデフォルトで thunderbird-portableフォルダ内の .thunderbird/portable.default/Mail 以下となります。 カウントのサーバー設定でメッセージの保存先を変更することもできます。

thunderbird-portableフォルダを移動やコピーするときはフォルダごと行ってください。 thunderbird-portableフォルダを削除すると保存されていたメールも消えてしまうのでご注意ください。

IV. Thunderbird の更新

V. 別のパピーで使う

同じパソコンにインストールされた別のパピー上で、あるいはポータブルThunderbirdをUSBメモリに入れて別のパソコンで、 同じメールアカウントとメールボックスで Thunderbirdを使うことができます。

別のパピーにも登録したいときは、thunderbird-portableフォルダを右クリックして「パピーメニューに登録」を選ぶか、フォルダ内の実行スクリプト'Register'をクリックしてください。

フィードバック

パピーリナックス日本語フォーラム

以上。
2014-05-03 thunderbird-portable 0.1 に寄せて Shinobar http://paper.cup.com/