パピーリナックス上でWindowsプログラムを実行するWineを、パピーに組み込むことなく1クリックで使用できるようにしたものです。 Wineは最低でも約350MBの擬似Windows環境を作ります。 通常のインストールではパピースペース(pupsave)を食いつぶします。
Portable Wine は /mnt/home以下などハードディスク上やUSBメモリ上に置いて使用します。 クリックすると、そこに擬似Windows環境が作られます。
パピー571JP上で作られ、wine-portable-*-precise として発表しました。 その後、本家フォーラムメンバーversion2013さんが Puppy-4.3.1 上でコンパイルしたものをSFSにして同梱したwine-portable-*-p4 は、パピー431JP2012上で動作確認しました。 その後のパピーでもたぶん動くはず。
ダウンロードした wine-portable-*.tar.gz を
/mnt/home や /mnt/sdb1 など、HDDやUSBメモリがマウントされたところで展開してください。
最低でも 700MBの空きスペースが必要です。
展開後は元のアーカイブ wine-portable-*.tar.gz は必要ありません。邪魔なら削除してください。
フォルダ wine-portable-* ができます。移動するときはフォルダごと移動してください。フォルダ名は変更しても構いません。
トップ階層である必要はありません。たとえば /mnt/home/apps/wine-portable。
この wine-portableフォルダはROXアプリとして動きます。 ROXファイラからは のように歯車がアイコンに表示されます。 残念ながら NTFSファイルシステム上では ROXアプリとしては動きません。 /mnt/home が NTFSファイルシステムの場合、むしろUSBメモリなどを ext4 あるいは vfat16/vfat32 でフォーマットして使用するほうが良いかもしれません。
wine-portableフォルダをクリックしてください。
フォルダが ROXアプリとして働いていると、
クリックで「Wine 設定」(winecfg)が起動します。
そうでないときは普通にフォルダが開くので、その中にある実行ファイル wine-portable をクリックしてください。
最初に wine-portableフォルダ内に擬似Windows環境が作られます。 作成場所はwine-portableフォルダのwine-dataがあらかじめ指定されています。 これを変更しないてください。 少し時間がかかります。 「Wine 設定」のGUI画面が立ち上がったら擬似Windowsのバージョンを選択し、「OK」をクリックしてください。 これでインストールは完了です。
擬似Windows環境を後から移動することもできます。そのときはwine-portableフォルダごと移動してください。
上記の擬似Windows環境の作成ができたら、 Wineアイコン で表示されている wine-portableフォルダに、 あるいはその中の実行ファイル wine-portable に Windows実行ファイル(.exe)をドラッグ・アンド・ドロップするとそれを実行します。
あるいは wine-portableフォルダ、またはその中にある実行ファイル wine-portable をクリックし、 出てくるGUIの入力欄に実行プログラムの名称を入力するか、プルダウンメニューから選択して実行することもできます。 この方法では、実行プログラムを Windows仮想デスクトップ上で走らせることもできます。 ただし、仮想ディスクトップからは起動できないプログラムもあるようです。
Potable Wine はパピーメニューへ登録しなくても、前項の方法で使えます。 登録するとパピーメニューから起動することができ、 ROX-Filerで実行プログラムの関連付けがされるので、 .exe あるいは .lnk(Windowsショートカット)ファイルをクリックするとWindowsプログラムが起動します。
Potable Wine のパピーメニューへの登録はフォルダを右クリックして出るメニューから行うか、フォルダ内の Register をクリックします。
wine-portableフォルダを移動したときは、移動後にもういちど登録しなおしてください。
(pupsaveを作って)/mnt/home以下に wine-portableフォルダがあって、ROXアプリとして動作するなら。 これをデスクトップにドラッグ・アンド・ドロップするとアイコンができます。 このアイコンをクリック、あるいはWindows実行ファイルを ドラッグ・アンド・ドロップすることで使えます。
/mnt/homeがNTFSファイルシステムのときは wine-portableフォルダはROXアプリとして動作しません。 この場合、フォルダの中にある実行ファイル wine-portable をデスクトップにドラッグ・アンド・ドロップしてください。 できたデスクトップ・アイコンを右クリックし「ファイル'wine-portable'」から「アイコンの設定」を選びます。 出てきたダイアログに wine-portableフォルダ内の wine48.png をドラッグ・アンド・ドロップすると、アイコン が設定されます。
擬似Windowsは wine-portableフォルダ内の wine-dataフォルダ にあります。 これをフォルダごと削除すると擬似Windowsが削除され、その後 wine-portableフォルダをクリックすると再インストールできます。 cache フォルダにはダウンロードした mono と geckoの msiが残されているかもしれません。 置いておくと再インストールのさいにこれらが使われます。
擬似Windowsを作成した wine-portableフォルダをそのままに、 アーカイブ wine-portable-*.tar.gz を別の場所で展開すれば、別の擬似Windowsを作ることができます。 フォルダ名を変更すれば、同じ場所に複数作ることもできます。
擬似Windowsを複数インストールして、それぞれを登録すると、 最後に行った擬似Windowsの登録が有効になります。 その他の擬似Windowsは、それぞれのフォルダをクリックすれば起動できます。
これら複数のWineはそれぞれ独立して、あるいは同時に実行することもできるはずですが、グラフィックを取り合うことになるので、仮想デスクトップ上で実行するのが安全かもしれません。 うまくいくかどうかは実行する Windowsアプリにも依るでしょう。
私もよく分かりません(笑)。 Wine project のホームページ を訪ねてください。 日本語Wikiもあります。
パピーリナックス日本語フォーラムへ
Wine(ユーザーの話し合い)
ポータブル Wine(開発者の話し合い)
以上。
2014-02-01 wine-portable 0.8
2014-01-21 wine-portable 0.6
2014-01-13 wine-portable 0.5
2014-01-04 wine-portable 0.3
2014-01-01 wine-portable 0.1 に寄せて Shinobar
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