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Google Chrome portable

これは何?

Google Chromeブラウザをパピーに組み込むことなく、その設定ファイルとともに1つのフォルダにまとめ、1クリックで使うようにしたものです。 /mnt/home以下やなど、 パピースペース(pupsave)の外に置いて使います。置き場所は NTFSやFATなどWindows用ファイルシステム上でも構いません。

Google Chrome はそれ自体が大きく、使用中に大きな一時ファイルを作ります。 通常のインストールではパピースペース(pupsave)を食いつぶします。 またデフォルトのダウンロード先が /root/Downloads と、これもパピースペースなので、大きなファイルをダウンロードしようとするとハングアップすることがあります。

Google Chrome portable では、Google Chrome本体と設定ファイル、ダウンロード・フォルダやキャッシュなどのすべてを1つのフォルダに収めています。 これをパピースペースの外に置けば、パーティションの容量の限りで使えます。

開発中のパピー571JP用に作られています。 550JP上では一部ライブラリをアップデートしないといけないようです。 http://sakurapup.browserloadofcoolness.com/viewtopic.php?f=27&t=2435&start=30#p17881 それ以前のバージョンのパピーでは、たぶん動きません。

google-chrome-launcher との違い

バージョン 0.3 までは google-chrome-launcher という名前でした。 バージョン 0.3 までの launcher は Google Chromeの設定ファイルを /root/.config/google-chrome 内に置いていました。 バージョン 0.4 から名前を変えた google-chrome-portable は Google Chromeの設定ファイルも google-chrome-portableフォルダ内に置いています。

google-chrome-portableフォルダを削除すると Google Chromeの設定、ブックマークやCockieも消えてしまうのでご注意ください。

使い方

I.インストール

  1. ダウンロードした google-chrome-portable-*.tar.gz を /mnt/home以下 や /mnt/sdb1以下 など、HDDやUSBメモリがマウントされたところで展開してください。 NTFSやFATなどWindows用ファイルシステム上でも構いません。 展開後は元のアーカイブ google-chrome-portable-*.tar.gz は必要ありません。邪魔なら削除してください。 フォルダ google-chrome-portable-* ができます。移動するときはフォルダごと移動してください。フォルダ名も変更できます。 トップ階層である必要はありません。たとえば /mnt/home/apps/google-chrome-portable。

    この google-chrome-portable-*フォルダはROXアプリとして動きます。 ROXファイラからは app icon のように歯車が表示されます。 残念ながら NTFSファイルシステム上では ROXアプリとしては動きません。 通常のフォルダと同じアイコン folder icon で表示されます。
  2. google-chrome-portable-*フォルダをクリックしてください。 フォルダが app icon のように歯車が見えていると、 クリックでGUI画面が開きます。 そうでないときは普通にフォルダが開くので、その中にある実行ファイル shell script icon google-chrome-portable をクリックしてください。
  3. GUI画面の「Google Chromeのウェブ・ページからダウンロード」をクリックします。 最新の Google Chrome32bit .deb パッケージを任意の場所にダウンロードします。 ダウンロードが完了したらブラウザを終了させてください。 google-chrome-portableのGUI画面に戻ります。
  4. ファイルマネージャで google-chrome-stable_current_i386.deb をドラッグし、GUI画面の入力欄に落とします。
    google-chrome-portable はインストーラとして機能し、 自動的にインストールが進みます。

  5. ブックマークのインポート
    すでに Google Chrome や Chromium を使っていたら、そのブックマークをインポートできます。 Windows版 Google Chrome のブックマークは、Windowsシステムドライブの "/Documents and Settings/*/Local Settings/Application Data/Google/Chrome/User Data/Default" フォルダにあります。 パピーで Cromiumを使っていたら、そのブックマークは "/root/.config/chromium/Default" フォルダにあるかもしれません。
    「旧いブックマークはどこにありますか?」と尋ねられたら、これらのフォルダを見付け、 入力欄にドラッグ・アンド・ドロップしてください。

II.インストール後の Google Chrome の起動

 上記のインストールが済めば、その後 google-chrome-portable はランチャーとして機能します。

パピーメニューに登録すると Google Chrome をパピーメニューから起動できます。また、通常使うブラウザ(defaulebworser)に登録することもできます。

登録しなくても google-chrome-portable のフォルダあるいはその中の実行ファイル google-chrome-portable をクリックすれば Google Chrome が起動します。 (pupsaveを作って)/mnt/home以下に google-chrome-portable があるときは、これをデスクトップにドラッグ・アンド・ドロップすればアイコンができ、このアイコンをクリックすれば Google Chrome が起動します。

登録後パッケージマネージャで google-chrome-portableをアンインストールすると、パピーメニューから Google Chrome の項目は除かれますが、 google-chrome-portable フォルダにインストールされた Google Chromeは、そのままです。

逆に google-chrome-portable をフォルダごと削除すると、そこにインストールされた Google Chromeも一緒に削除されますが、 パピーメニューには残っています。メニューから除くにはパッケージマネージャで google-chrome-portableをアンインストールしてください。

III. Google Chrome の設定ファイル

Google Chrome の設定ファイルは google-chrome-portableフォルダ内の google-chrome-config.3fs の中にあります。 google-chrome-portableフォルダを移動やコピーするときはフォルダごと行ってください。 ブックマークなどはそのまま引き継がれます。

google-chrome-portableフォルダを削除すると Google Chromeの設定、ブックマークやCockieも消えてしまうのでご注意ください。 (google-chrome-portableフォルダ内の google-chrome-config.3fs のバックアップを取っておくのも良いかもしれないが、goole-chrome-portableの今後のバージョンでも互換性があるかは保証されない。)

すでに Google Chrome を使っていたら、その設定ファイルは /root/.config/google-chrome にあるかもしれません。これを google-chrome-portable へ引き継ぐ方法は現在提供されていません。 (google-chrome-config.3fs をクリックしてマウントし、その中にある google-chrome-configディレクトリの中身を入れ替えればよいのかも。)

IV. Google Chrome の更新

  1. google-chrome-portableフォルダが ROXアプリとして動いている場合はこれを「右」クリックし、メニューのいちばん上「Google Chrome をインストール/アップデート」を選ぶとGUI画面が開きます。 右クリック・メニューにこれが現れないときは ROXアプリとして動いていません。フォルダを開き(右クリックなら「内容を見る」。左クリックなら普通に開く)、 フォルダ内の実行ファイル shell script icon Build をクリックしてください。
  2. GUI画面の「Google Chromeウェブ・ページからダウンロード」をクリックします。 最新の Google Chrome32bit .deb パッケージをダウンロードしてください。 Google Chrome画面下に警告が出ますが、「保存」をクリックしてください。
  3. Google Chromeを終了すると GUI画面に戻ります。入力欄に google-chrome-stable_current_i386.deb が表示されているのを確認し、「OK」をクリックしてください。

あるいは任意のブラウザで新しい Google Chromeの 32bit .deb パッケージをダウンロードし、google-chrome-portable の上にドラッグ・アンド・ドロップします。

V.ダウンロード先について

Google Chrome でインターネット上のファイルをダウンロードするとき、ダウンロード先がデフォルトでは /root/Downloads となっています。 この場所は限られたパピースペース(pupsaveと思ってよい)の一角なので、大きなファイルをダウンロードするとハングアップすることがあります。

google-chrome-portableでは、HOME変数を変更することで、 ダウンロード先を google-chrome-portableフォルダ内の Downloads フォルダとしています。

Google Chrome の設定でダウンロード保存先を変更すると、上記の場所にはなりません。デフォルトのままで使うようお奨めします。
ダウンロード保存先の変更は Google Chrome の右上メニュー>[設定] > [詳細設定]のところにあります。 Google Chromeヘルプ

使い方は以上です。

なぜ、こんなの作ったの?

Google Chrome をパピーリナックスで使おうとすると、いくつかの問題があります。

  1. rootユーザーでは起動できない。(--user-data-directory を指定してやれば OK。)
  2. 配布されている .debパッケージでインストールすると、Google Chrome 本体が約150MBと大きい
  3. user-data-directory がデフォルトだと $HOME/.config/google-chrome で、キャッシュもここに採られるので、パピースペース(pupsave)がすぐにパンクします。
    (Google Chrome が速く見えるのは、キャッシュの多用のせいではないかと私は疑ってる。)

これらの解決法はいろいろありますが… パピーリナックス日本語フォーラムで、サボり魔さんが、Operaブラウザについて「インストールしなくても、アーカイブを解凍したディレクトリ内のラッパースクリプトをシングルクリックすることで起動しています」という言葉にヒントを得ました。 http://sakurapup.browserloadofcoolness.com/viewtopic.php?f=27&t=2435&sid=031e9766ca1d54a37cdd4db7f2548cc3#p17789

やってみると、大きな問題が。 Google Chrome Linux版は Linux用ファイルシステム上でのみ動作し、NTFSやFATなど Windows用ファイルシステム上では動作しません。 なので /mnt/home が ext2/ext3/ext4 などでは問題ないのですが、 NTFSやFATでは…。

しかたがないので google-chrome-launcher-0.1では、 NTFSやFATの場合に google_space.4fs なるファイルを作り、そこに ext4ファイルシステムを構築して使用します。 なんのことはない、Google Chrome 専用の pupsaveをもうひとつ拵えるみたいな。 これだと、pupsaveを標準の 512MBより大きく、たとえば 1GBにしたほうが早いんじゃない?という気もしますね(苦笑)。

そこで google-chrome-launcher-0.2では、 置き場所のファイルシステムに関わらず、Google Chromeプログラム本体を SFS化しました。 設定はデフォルトどおり $HOME/.config/google-chrome に。 ただしキャッシュのみ google-chrome-portable の置き場所(パピースペース外)に置くこととしました。 またダウンロードファイルもここに置くこととしました。 デフォルトのダウンロード先 $HOME/Downloads は、ここへのリンクとします。

プログラム本体を SFS化したのなら、素直に追加SFSとして sfs_load などでロードすれば良いのかもしれません。 sfs_load などでロードするということは、パピーのレイヤード・ファイルシステムに加えるということですが、 各アプリごとにそうしているとレイヤーの階層がどんどん増え、パフォーマンスに問題が出てくるかもしれませんし、ループデバイスを消費します。 ループデバイスの数を増やせば良いという考えもありますが…。

google-chrome-launcher-0.2 はアプリ(Google Chrome)起動時に SFSをループマウントし、アプリ終了時にはSFSをアンマウントします。 レイヤード・ファイルシステムには触れないので危険も少なく、時間も食いません。 /opt以下にインストールされるタイプのアプリには応用できる技かと思います。

google-chrome-launcher-0.3 は Downloadsフォルダを自身の内に置きました。 また、ROXアプリとすることで使い易くしました。

バージョン 0.4 から google-chrome-portable と名前を変え、 Google Chromeの設定ファイルも google-chrome-portableフォルダ内に置くこととしました。

フィードバック

パピーリナックス日本語フォーラムへ http://sakurapup.browserloadofcoolness.com/viewtopic.php?f=30&t=2444

以上。
2014-01-28 google-chrome-portable 0.5
2013-12-30 google-chrome-portable 0.4 (名称変更)
2013-12-28 google-chrome-launcher 0.3
2013-12-22 google-chrome-launcher 0.2
2013-12-16 google-chrome-launcher 0.1 に寄せて Shinobar http://paper.cup.com/